【ものづくり日記】#4 キレイゴトだけじゃないゲンジツ

キレイゴトだけじゃないゲンジツ ものづくり日記

こんばんは!
ケニア滞在中、かご専門店ORIKAGOのゆんです。


週一で書いているブログですが、日々いろんなことが起きすぎて感情も書く内容も追いついていないゲンジツです。

そんな中、よく聞くアレを目の当たりにしたゲンジツを今日は書こうと思います。

途上国でビジネスをやっている方のブログとかで、
「給料あげてくれ」論争や、「お金持って逃げられた!」という記事を目にしますよね。
しかも、信頼していた人に。

はじめに言っておくと、そんな話ではないので期待しないでください(笑)
ただ、個人的に「あ、噂のアレはこういうところからか」ってなった話です。

訪れたとある農村部
訪れたとある農村部

アフリカの農村部で仕事を作ることをビジョンにしてるんです」って
店頭に立っている時に、よくお客様にお話していました。

言葉ではわかっていても、実際に農村部へいくと、その大変さと難しさのゲンジツを強く感じました。

滞在先から、バスで1時間、そこから凸凹かつ水溜りの山道を40-50分バイクに乗り辿りついく、「THE・農村部」にいきました。
もう何年も一緒にかご作りをしている女性たちがいるところです。
もちろん私は、はじめまして。

笑顔で「Welcome」と迎え入れてくれ、ウキウキしていたら、
次の一言「もっと給料上がらない?」と。

もう一度言います。
はじめまして、です。

まずは、コミュニケーションからとスワヒリ語をメモしてきた私のキモチ。
ちょっと柔らかく書きましたが、勢いはとても凄かったです、はい。
10分-15分くらいごちゃごちゃやってました。

染色のためにお湯を沸かします
染色のためにお湯を沸かします

よく聞くと、やはり日々日々物価も上がり、特に農村部は都市部よりも価格が高い傾向に。

例えば、滞在先近くのスーパーでは砂糖1kg 120円ほどですが、彼女たちの地域では350円。

そんなこんなで、交渉が始まります。
もともと、毎年の恒例行事とは聞いていたものの、そんなに最初から言われると、この後他のメンバー含め、どんな顔してコミュニケーションを取ろうか迷ってしまいました。

「ケチなジャパニーズ来たよ」なんて思われてるのかなあ、なんて被害妄想。

あ、もちろんウチもきちんとした価格でやりとりしているので誤解しないでくださいね!!!

そしてさらに戸惑うのがそんな文句をいった数秒後には笑顔で違う話題を振ってきて、かごの作り方まで教えてくれるホスピタリティ!

と思ったら、また給料交渉!!

もう戸惑いの連続。さっきの文句と優しさはどうした!と。
アメとムチなの?
どのあなたを信じればいいの!

こんな、みんな笑顔の写真も撮れるんですよ
こんな、みんな笑顔の写真も撮れるんですよ

何はともあれ、「きちんとした価格」と言いつつ、日々の変化には追いつけていないところもあるので、調査は欠かせません。

いろんな人に、同じ「モノ」の価格を聞いて比較したりするのですが、
まー言ってることが違う。

もちろん、お店によっても異なるもわかりますが、それにしても「ほんとかい?」となることも多く、、。

例えば、英語のわかる大学生を通して、会話をしていたおばあちゃん。

私「〇〇は去年いくらで、今年いくらに変わったの?」

大学生「450から50…」

おばあちゃん「〇〇?ゴニョゴニョ、、650(大学生が言うのを止めながら耳打ち)」

大学生「650」

(そのあと、同じ「モノ」を別の聞き方をすると今度は「1000円」と返ってくるではないか。)

おばあちゃんが言ってたのは、現地語だったため何を言っていたか定かではないのですが、大学生が言い直したところを見るだけで、信憑性に欠けてしまいます。

そうなるともう全てを疑ってしまう、、
もちろん価格が上がってるのもゲンジツ。
少しでも交渉でお金をもらおうとするのもゲンジツ。
気持ちはワカル。

私が彼女の立場でもきっとする。
気持ちはワカル。

サイザルでも見て落ち着きましょう

ただ、そうなると「適性」がなんなのか見極めが難しい。

もちろん私たちだって意地悪をしたいわけじゃない。
友好な関係で長く一緒に働きたいと思っている。
彼女たちの生活が少しでも豊かになればいいと思っている。

私がもどかしくなったのは、ここが彼女たちにきちんと伝わっていないんじゃないかなということです。

私たちが関わっている、かご作りをしている女性たちの中にも、外国人バイヤーに裏切られ作るだけ作ったかごが買い取られず、廃棄するしかなくなった方達もいます。

要は「私たちの利益のためだけ」にビジネスをしていると思っているのではないかと。

「対等」でありたいと思っていたけど、そこは中々受け入れられにくいのかなとも思ってしまいました。

伝えていくしかないんですけどね。伝えてるつもりでも伝わってないところ多いんだろうなって。
それでも伝えていくしかないんですけどね。

関係ないですが、ケニアの国民食ウガリ!すっかり上手になりました。
関係ないですが、ケニアの国民食ウガリ!すっかり上手になりました。

こういったカタチのビジネスをしていると、
店頭や知人からも「彼女たちも助かるだろうねえ」や「素敵な活動ね」と言ってもらえることが多いです。

もちろん、その一面もありますが、やはりキレイゴトだけじゃ済まされないシビやな、まさに「ビジネス」なゲンジツを感じた1週間でした。

さあ、今週はどんな発見があるのでしょうか。
乞うご期待!